
「推敲・校正・校閲」ってよく聞くけどわからない。わかりやすく説明して



「推敲・校正・校閲」それぞれの違いをしっかり把握したい
今回はそんな疑問やお悩みをスッキリ解決します。お任せください。
SNSやブログで個人が情報発信することが当たり前になった今、
「推敲(すいこう)」「校正(こうせい)」「校閲(こうえつ)」が求められています。
これら3つは本を出版する前などに文章を訂正する作業。
そのような意味だと把握している人が多いかと思いますが、それぞれ意味合いがどう違うのかしっかり理解していない人もいるかと思います。
結論を先に言うと、それぞれこのような意味合いがあります。
- 「推敲」文章を良くするために修正・改善を繰り返すこと。
- 「校正」文字や文章に誤字脱字、スペルミス、矛盾点がないのか確認修正すること。
- 「校閲」文章の内容の誤りや情報の正しさを確認修正すること。
ざっくり言うと「推敲」は文章をより良くするための修正・改善。
一方「校正」「校閲」は文章の誤りを正すことが目的です。
「校正」は誤字脱字といった文の誤りを正すこと。「校閲」は文章の内容や情報の誤りを正すことになります。
より具体的な内容を見ていきましょう。
推敲(すいこう)とは


推敲とは、書いた文章をよく考えて何度も練り直すことです。
読みやすく修正、改善してよりよい表現にするという目的があります。
推敲の漢字にはそれぞれこのような意味があります。
- 「推 / すい)」押す、押しすすめる、前に押し出す
- 「敲 / こう・きょう・たた(く)・たた(き)」叩く、ドアをノックする
この2つの単語が合わさって推敲です。
「文章をよくするために修正改善を繰り返すこと」と理解しておけば間違いないでしょう。
由来・語源は中国
「推敲=押す+叩く」という単語が合わさってできた言葉ということがわかりました。
しかし、それだけでは「押す+叩く」と「文章をよくするために修正改善を繰り返すこと」という意味がつながりません。
それを理解するには、推敲の由来・語源を知ることで納得できます。
推敲の語源は1200年ほど前の中国にあります。唐の詩人賈島(かとう)のお話です。
昔、唐の詩人で賈島という男がいた。ある日賈島はロバに乗り、唐の都に向かいながら詩を作っていた。
そこで迷った。「僧は推おす月下の門」という詩を思いついたのだが「推す」をそのまま使った方がいいか「敲く」に変えた方がいいのか。とにかく賈島はどちらが適切な表現か深く考え続けた。
すると、前を見ていなかったのか偉い役人韓愈の行列に突っ込んでしまったのだ。
すぐさま捕らえられる賈島。
突っ込んでしまった事情を説明すると、韓愈はこう言った「それなら敲く(たたく)とした方がいいだろう」
それが縁で、2人は意気投合したという。
「推敲」の語源は四字熟語の「月下推敲」
このお話を元に作られた言葉が四字熟語の「月下推敲(げっかすいこう)」です。
推敲の語源はこの月下推敲(げっかすいこう)からきています。
- 唐(とう・618年~907年)は現在の中国にあった中国の王朝
- 賈島(かとう・779年~843年)現在中国の河北省出身。実在した人物。元僧侶
- 韓愈(かんゆ・768年~824年)唐の時代を代表する文学者・思想家・政治家
「校正(こうせい)」と「校閲(こうえつ)」の違い


似ているので間違えやすいのが校正と校閲です。
比較して覚えた方がわかりやすいので一緒に解説します。
「文章の改善点を見つけて修正すること」これが推敲も含めた校正、校閲の共通点です。
その共通点を知った上で、それぞれの違いを理解しましょう。
- 「校正」文字や文章に誤字脱字やスペルミス、矛盾点がないのか確認修正する作業
- 「校閲」文章の意味や内容に誤りがないか改善点を見つけて修正する作業
校正(こうせい)とは
詳しく見ていきましょう。
校正は文字や文章に誤字脱字がないか、矛盾がないかを確認修正する作業です。一言で言うと、誤字脱字やスペルミスを修正する作業。
例えば、大手メディアサイトで誤字脱字を発見したとしましょう。とたんに信頼性が欠けてくる気がしませんか?
大手メディアに限らず、今や個人で誰でもメディアを持ち発信できる時代です。ですから、コンテンツの信頼性を保つために校正は欠かせない作業なのです。
誤字脱字の例
× | 〇 |
---|---|
申し訳ございまさん | 申し訳ございません |
食べて見てください | 食べてみてください |
話なし | 話し(話) |
ブログ運営者によってそれぞれの文章ルールがあると思います。後で見返してその間違いがあれば正す。それも校正です。
- 数字は半角「3→×」「3→〇」
- 鍵括弧(「」)の前後に読点「、」を置かない。
また「僕」「ボク」など同じ意味の言葉で違う表記になっていることを、表記ゆれと言います。
表記ゆれを発見して統一するのも校正の作業です。
いくつか具体例を見てみましょう。
- 「俺」「おれ」「オレ」
- 「数字の五」「数字の5」
- 「やさしい」「優しい」
- 「レンタルサーバ」「レンタルサーバー」
- 「終了です。。」「終了です……。」
表記ゆれを探すのは根気が必要で細かい作業かもしれません。表記ゆれは気になる人もいますので見つけたら修正した方がいいでしょう。
校閲(こうえつ)とは
校閲は、文章の意味や内容に誤りがないか改善点を見つけて修正する作業です。
- 内容の誤りを正すこと
- 情報の正しさを確認する
- 表現が適切かどうか
校正が文字や文章のミスを正すことなら、校閲は文章の内容や情報の正しさを確認してミスがあれば正すことです。
校正は文字単位の小さな修正、校閲は文章の内容や情報の正しさといった大きな修正と覚えておけばわかりやすいでしょう。
商品を例に、校閲とは具体的に何をするのか見てみましょう。
記事で商品を紹介した場合、これらの情報に誤りがないのかチェック。誤りがあれば修正します。これが校閲です。
- リリース日
- イベント情報の内容
- 商品の基本情報
- 商品の料金
- 電話番号、お問い合わせ先
- 運営会社名
また、引用するときは一次情報を引用するかと思います。その情報が一次情報として正しいのかそれを確認するのも校閲です。
例えば「シェアNo.1」という情報がはたして正しいものなのか。一時情報がその根拠を裏付ける信頼できる情報なのかを判断。根拠がないのであれば修正します。
校閲することでコンテンツの質を上げることになりますので、大手メディアではなくてもやっておきたい作業です。
まとめ
まとめです。
この記事では「推敲・校正・校閲とは何なのか?」ということから、その違いまで解説しました。
- 「推敲」文章をより良くするために修正、改善を繰り返すこと。
- 「校正」文字や文章の誤字脱字やスペルミス、表記ゆれがないのか確認・修正すること。
- 「校閲」文章の内容や情報の正しさを確認。誤りあれば正すこと。



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ありがとうございました!ワンワン
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